ラジオセンターとラジオデパート — 似て非なる二つの聖地
秋葉原の部品好きが必ず通る二つの聖地——駅ガード下の「ラジオセンター」と、高架沿いの「東京ラジオデパート」。名前が似ているため、長年混同されてきた二つの施設の関係を整理しましょう。
同じ時代に生まれた「兄弟」
両者はどちらも、戦後の露店整理を機に生まれました。
1949年のGHQ露店撤廃令で路上を追われたラジオ部品の露天商たち。その受け皿として、駅のガード下にはラジオセンターが、高架際には1950年開業の東京ラジオデパートが誕生します。つまり両者は競合というより、同じ危機から生まれた兄弟のような存在です。
以来70年以上、どちらも電子部品の集積地として生き続けてきました。世界的に見ても、これほど長寿の部品街が徒歩1分圏内に二つ並んでいる場所は他にありません。
似ているところ、違うところ
似ているところは言うまでもありません。小さな専門店がひしめく構造、真空管からコネクタまでの部品の海、店主との対話で探しものが見つかる文化。
違いは、器の形にあります。
- ラジオセンターは駅のガード下。細長い通路の両側に小さな店がびっしり並ぶ、路地の延長のような空間です
- ラジオデパートは独立したビル。B1Fから3Fまでの4フロアに約36店が入り、フロアごとの個性——2Fのオーディオ街、B1Fのジャンク街など——が育っています
品揃えの傾向も店ごとに異なるので、探しものがあるときは両方を回るのが正解です。片方になければもう片方にある。この「二段構え」が秋葉原の部品調達の強さです。
はしごの黄金コース
おすすめは、こんな順路です。
- ラジオセンターで通路を一往復。部品の相場と品揃えの感覚をつかむ
- 徒歩1分でラジオデパートへ。1Fの汎用部品から順に上階へ
- 2Fのオーディオ・真空管街でじっくり
- B1Fのジャンクで締める
これで秋葉原の「部品の現在地」がほぼ一望できます。買い忘れに気づいても、両者は徒歩1分。何度でも往復できます。
二つ揃って、秋葉原
家電量販店の大型化、ネット通販の普及——部品街には逆風の時代が続きました。それでも二つの聖地が残っているのは、「現物を見て、相談して買う」価値が消えないからです。
ラジオセンターとラジオデパート。似た名前の二つの館は、秋葉原の原点が今も生きている証拠です。訪問の計画はアクセス・営業案内から。オンラインではラジデパでも部品と出会えます。
