テスター(マルチメーター)の使い方 — 最初の測定器
電子工作で最初に買うべき測定器は、間違いなくテスター(マルチメーター)です。数千円の投資で、回路の中の見えない世界が「数字」になります。基本の使い方を覚えましょう。
まず覚える3機能
1. 直流電圧(DCV) — いちばん使う機能です。電池の残量、電源の出力、回路各部の電圧。赤棒を測りたい点、黒棒をグラウンド(基準点)に当てます。回路に並列に当てるのが電圧測定です。
2. 抵抗(Ω) — 抵抗の値の確認、カラーコードの答え合わせに。必ず電源を切った状態で、部品を回路から外して(少なくとも片足を浮かせて)測ります。回路に電圧がかかったまま抵抗レンジを使うのはNGです。
3. 導通チェック(ブザー) — 地味にして最強の機能。つながっているべき所がつながっているか、ショートしていないか、ブザー音で確認できます。ケーブルの断線調査、はんだ付けの確認、ヒューズ切れの判定——トラブルの大半はこの機能で見つかります。
初心者がやりがちなミス
- レンジ・端子の間違い: 電流測定用の端子に差したまま電圧を測ろうとしてショート——定番の事故です。測定の前に「ダイヤルと差し込み位置」を指差し確認
- オートレンジを過信: 表示の単位(mVかVか、kΩかMΩか)を見落とすと桁を読み違えます
- 抵抗測定で指で挟む: 両手で部品をつまむと自分の体の抵抗も測ってしまいます。片手はフリーに
- 電流測定はまず慎重に: 電流は回路に直列に入れて測ります。慣れるまでは電圧と導通だけでも十分戦えます
選び方の目安
最初の1台はデジタル式で十分です。目安はこのあたり。
- 直流電圧・抵抗・導通ブザーがある(ほぼ全機種OK)
- 表示が見やすい、リード棒がしっかりしている
- 余裕があれば: コンデンサ容量測定、周波数、温度測定付きのモデル
針が動くアナログテスターには、変化の傾向を追いやすいという味があります。2台目の楽しみに取っておきましょう。中古の計測器を狙うなら中古計測器の選び方もどうぞ。
テスターは「質問する道具」
回路が動かないとき、闇雲に部品を交換するのは遠回りです。「電源は来ているか?」「ここは導通しているか?」——テスターは回路への質問の道具。質問の仕方(どこを測るか)が上手くなることが、そのままデバッグ力になります。
次のステップは、波形が見えるオシロスコープの世界。でもまずは、テスター1台を使い倒すところから。購入は館内の計測器取扱店やラジデパで。
